【初心者向けパワーリフティングのコツ】パワーリフティング大会当日の流れ、動き方

初めてパワーリフティングの試合にでられる方の当日の流れ、ルールについて説明します。

例は、「大阪府パワーリフティング選手権大会」です。大会や主幹協会により、若干記載内容と異なることがあることをご了承ください。

パワーリフティングの試合は「セッション」ごとに区切られており、セッションの中に「グループ」が複数あり、グループごとに試合が行われます。

受付、検量、コスチュームチェック

大阪府パワーリフティング選手権大会の会場では受付、検量、コスチュームチェック、ウォーミングアップを同室で行います。

 

受付及び検量

受付は検量室内で行います。検量室はカーテンで区切られており、グループごとにロット番号順で審判から呼ばれ、一人ずつ検量を行います。名前を呼ばれた時にいない選手は最後の順番に回されますので気をつけてください。ロット番号はエントリーに記載されています。

検量が合格の場合、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトのそれぞれの第一試技重量及びラックの高さ、セーフティの高さをその場で申告します。なお、第一試技重量は検量室での申告後は一回しか変更できません。ラックとセーフティの高さは自身の試技が始まるまでは何度でも変更が可能です。(ただし、進行の妨げにならないよう本当に変更が必要な場合に行ってください。)

パワーリフティングは第一試技で失敗しても第二試技の重量は第一試技よりさげられません。試合は練習と環境や感覚が違うため思うように力を発揮できなかったり、予想外のことが起こります。第一試技はかなり余裕をもった重量(5レップスできるくらいの重量)を申請されたほうが失格しにくくなります。

 

コスチュームチェック

試合で使用する服装、ギアが基準に合致しているかどうか審判が審査します。開催要項の記載内容に従ったものであれば問題なく合格します。コスチュームチェックはロット順ではありませんが、グループ順に行います。検量とコスチュームチェックはどちらから受けられても良いので検量の呼ばれる順番が早い人は検量優先で、それ以外の方はコスチュームチェックを先に受けられるとよいでしょう。

 

ラックの高さとセーフティの高さを自身で調べておく

検量の時にラック高さとセーフティの高さを申請するので、検量までにウォーミングアップの台で調べておくとスムースにいきます。分からない場合は適当な数値を申告し、後から変更をします。前述しましたが、ラックの高さとセーフティの高さはバーイズローデッドのコールをもらうまではいつでも口頭で変更可能ですので急がなくても大丈夫です。

 

試合の全体的な流れ

2018年大阪府パワーリフティング選手権大会は1セッションのみです。1セッションの中にA、B、Cの3グループあります。

Aグループスクワット→Bグループスクワット→Cグループスクワット→Aグループベンチプレス→Bグループベンチプレス→Cグループベンチプレス→Aグループデッドリフト→Bグループデッドリフト→Cグループデッドリフト

このような試合の流れとなります。スクワットのグループ間の休憩はありません。Aグループのスクワットが終了するとすぐにBグループのスクワットが始まります。

種目間は器具の入れ替えが発生するため5分の休憩をはさみます。例えば、Cグループのスクワットが終わり、次にAグループのベンチプレスが始まる時が該当します。この休憩はタイマーを回しますので選手の皆さんはタイマーを見ながら準備をしてください。

 

各グループの試合の流れ

各グループの試合の流れは申請重量の低い選手から始まり、申請重量順に試技を行います。申請重量が同じの場合はロット番号順の試技となります。グループ全員が試技を終えると第二試技に移ります。

 

試合のコール

スクワット

バーイズローデッドのコールで試技場に入場します。

スクワットの合図でしゃがみ始め、立ち上がったら静止します。

ラックの合図でラックに戻します。

失敗してしまった時もラックというコールがかかります。補助が入りますが、力を抜かずできるだけ自力でラックに戻す努力をしてください。

 

ベンチプレス

バーイズローデッドのコールで試技場に入場します。

スタートの合図でバーをおろしはじめ、胸についたら静止させます。

プレスの合図でバーをあげ、肘をロックさせ静止します。

ラックの合図でバーをラックに戻します。

失敗してしまった時もラックというコールがかかります。補助が入りますが、できるだけ自力でラックに戻す努力をしてください。

 

デッドリフト

バーイズローデッドのコールで試技場に入場します。

デッドリフトは審判のコール無しで自身のタイミングで引き始め、引ききったら静止します。

ダウンのコールでバーをおろします。この時、バーを離したり、コントロールを失っておろした場合は失敗となります。

 

試技重量の申請、変更

2018年大阪府パワーリフティング選手権大会では試技重量の申請及び変更は必ず「試技カード」に必要事項を記載して、試合の進行係に提出します。そのため、試合当日はボールペン等の筆記具が必要となります。

書き方は画像をご参照ください。(クリックで拡大します。)

口頭での重量申請や試技カードに名前、ロット、サインが無いなどの不備がある場合は全て無効とします。

 

第一試技重量の変更

検量室で第一試技重量を申告した後は各種目一度だけ重量を変更することができます。変更できるタイミングが以下の2パターンに限定されています。

 

1 試合が始まる3分前

これは、試合開始であるAグループスクワットが始まる前と種目間の休憩をはさむAグループベンチプレスが始まる前、Aグループデッドリフトが始まる前が該当します。Aグループの方は試合が始まる3分前までであれば試技カードに第一試技の変更重量を記載して提出することにより一度だけ重量の変更ができます。

 

2 前グループの最終3人前まで

Bグループの試技者はAグループの第三試技の最終3人前までであれば試技カードに第一試技の変更重量を記載して提出することにより一度だけ重量の変更ができます。Aグループは今回の大会で12人エントリーしているため具体的にはAグループ第三試技の10人目の選手がバーイズローデッドのコールされる直前までです。

下記の画像もご参照ください。(クリックで拡大します。)

 

第二試技の重量申請及び変更

第一試技が終了したら、1分以内に試技カードに第二試技の重量を書いて進行係に申請してください。1分以内に重量申請がされなかった場合は以下のように運営側で重量を申請します。

前試技が失敗の場合:同重量を申請

前試技が成功の場合:2.5kg増量した重量を申請

なお、第二試技は一度申請されますと変更できません。

 

第三試技の重量申請及び変更

申請方法及び申請されなかったときの措置は第二試技と同様です。

スクワット、ベンチプレスの第三試技は変更できませんが、デッドリフトのみ2回変更が可能です。このデッドリフトの第三試技の変更に関してはパワーリフティングで唯一申請した重量を落とすことができます。

第二試技 100kg→第三試技 120kg→変更一 115kg→変更二 102.5kg

極端に書くと、このようなことも可能です。ただし、以下の条件があります。

 

第二試技より重量を落とすことはできない

上記の例の場合、第三試技及び、変更一、変更二は100kg未満の重量は申請できません。

 

前の試技者より重量を落とすことはできない

上記の例の場合、自分の前の試技者が117.5kgの試技を行った場合は117.5kg未満の重量は申請できません。つまり、117.5kgの試技が始まった時点で115kg以下の重量への申請が不可となります。

 

ウォーミングアップのタイミングと注意点

ウォーミングアップのタイミングで重要になるのは最終のウォーミングアップをいつ行うかです。概ね、前グループの第三試技の時に最終ウォーミングアップを行うのが理想です。

前グループ第三試技の◯番目の試技中に最終ウォーミングアップを行うと決めます。そこから逆算してウォーミングアップの間隔を決めてください。ただし、ウォーミングアップエリアは混雑し、順番に並びますので考えていたタイミングでウォーミングアップできないことがあるのをあらかじめ想定しておいてください。

混雑がひどい場合は第一試技重量を下げて、最終ウォーミングアップを兼ねるのがよいかもしれません。

 

順位の決まり方

成功試技の絶対重量順(同じ階級、年齢カテゴリーで判定します。)

↓ 同重量の選手がいる場合は、

検量体重が軽い順

↓ 検量体重も同じ場合は、

先に成功試技を行った順

この流れで順位が判定されます。絶対重量も検量体重も同じというのはレアケースですが、後から試技を行う選手は重量変更をしないと負けが確定します。

 

国体予選における順位の決まり方

2018年大阪府クラッシクパワーリフティング選手権大会では同時に福井しあわせ国体の予選も行います。これはクラッシクパワーリフティング(ノーギア)の結果をそのまま国体予選の審査に用いるという意味で、国体予選参加者だけ別途集めて試合をするという意味ではありません。

国体予選の場合は年齢カテゴリーはなくなります。体重による階級区分で絶対重量での勝負となります。絶対重量が同じの場合は通常の順位の決まり方と同様です。各階級の上位3名までが2018年7月1日に行われます近畿ブロック予選大会に進む権利を得ることができます。

 

試合のかけひき

今までの内容を総合しますと、

絶対重量順に試技、順位も絶対重量順に決まる。(絶対重量が常に最優先)

絶対重量が同じ場合、試技はロット番号順、順位は検量体重順で決まります。

予想される絶対重量が近い選手がいる場合は検量体重を比較し、デッドリフト第三試技の重量申請及び変更を行います。同重量の試技の場合はロット番号順に行われます。

 

かけひきの具体例

A選手 ロット98 体重73.80kg 第二試技までのトータル450kg(160+95+195) 第三試技202.5kg申請 成功時トータル457.5kg

B選手 ロット97 体重73.90kg 第二試技までのトータル450kg(150+100+200) 第三試技210kg申請 成功時トータル460kg

この例の場合、変更が無い場合はA選手→B選手の試技順です。(絶対重量順)また、B選手は体重で不利であるためにA選手の第三試技に2.5kgかぶせた重量申請です。

A選手が第三試技を成功させた場合、B選手は変更はせず、210kgを成功させないとA選手に勝てません。

A選手が第三試技を失敗させた場合、B選手はA選手の最終トータル450kgに対して2.5kgをかぶせた202.5kgへの重量変更が

できません。

ロット番号が後であるA選手が202.5kgの試技を行ったからです。このため、B選手は205kgへ変更を行ってそれを成功させなければなりません。

この例から、

検量体重が軽いほど有利

ロット番号が後ほど有利

であると分かります。しかしながら、あくまでも絶対重量が最優先で決まりますので初心者のパワーリフターの方は絶対重量を伸ばすことに注力してください。

三種目のパワーリフティングは各種目の得意不得意である程度重量がばらつくためこの例のようなケースになることはまれです。シングルベンチの全日本大会や国際大会では一種目勝負で、選手のレベルが高いためセコンドによるかけひきやライバルの重量の読みが順位に影響してきます。

 

開会式

開会式にて本投稿のおさらいを行います。初めて出場される選手や疑問点のある選手はは必ず開会式に出席してください。

 

不明点の質疑応答

試合中に不明点がある場合は大阪府パワーリフティング協会の役員にご質問ください。役員はブレザーを着用し、赤か、紺のネクタイをしています。

 

表彰式、閉会式、片付け

試合が終わりますと表彰式が行われます。お忙しいとは思いますが、できるだけ表彰式、閉会式への参加をお願いします。

また、後片付けも少しお手伝いをしていただけますと非常に助かります。

 

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